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≪ラ・カンパネラ基礎知識≫


■パガ大第3番 嬰ト短調 ラ・カンパネラ
・作曲者/フランツ・リスト    ・作品番号/S.141-3 or R3b   ・献呈/クララ・シューマン
・原曲/ヴァイオリン協奏曲第2番ロ短調第3楽章op.7(パガニーニ)
・超絶度/100   ・演奏時間/約5分


≪Grandes Etudes de Paganini/EtudeV “La Campanella”(伊)≫
≪Paganini Etudes/EtudeV “La Campanella”(英)≫


パガニーニによる大練習曲集第3番嬰ト短調ラ・カンパネラS141-3 [※MIDI]
(4分37秒/34KB)




ピアノを弾く誰もが、一度は弾いてみたいとあこがれる旋律。ご存知、皆さんのよく耳にしているのはコレです。 パガニーニによる大練習曲集第3番嬰ト短調ラ・カンパネラS141-3。なんとその正体は「5番目に作られたラカンパネラ」。 アマチュアでも弾けるようにとパガ超ラカンパネラを優しいレベルにアレンジしたものですが、 5つのラカンパネラのうち最も美しく鳴り響く鐘であり、現在、あらゆるピアニストたちによって愛奏されています。

原曲はパガニーニの ヴァイオリン協奏曲第2番ロ短調op.7 第3楽章『ラ・カンパネラ』 [※MIDI] 。 ちなみに、この曲は【リスト:ラ・カンパネッラ+2】という右上のCDにも収録されています。 それは、“11人のピアニスト”による“11のラカンパネラ”が一度に聴けるというすばらしいもので、 いちラカンパネリアンとして当然持っていなくてはならない最高の1枚です

≪パガニーニによる超絶技巧練習曲集≫の中にあった細かい音符をほとんど削除して、 アマチュア専用に簡単にしてしまったものが≪パガニーニによる大練習曲集≫。 1851年に出版された、言わばパガニーニ・エチュードの改訂版。 その中の第3番≪嬰ト短調ラ・カンパネラ≫が、5つのうちの最後のラ・カンパネラです。正式名称を… ≪パガニーニによる大練習曲第3番 嬰ト短調 ラ・カンパネラ≫といいます。 略して『パガ大ラ・カンパネラ』『パガ大の方のカンパネラ』『通常(普通)のラ・カンパネラ』。 『パガ大』と『パガ超』の違いを知ってる真のリストファンの間では、 ラ・カンパネラの頭に『パガ大』か『パガ超』を付けるのが“暗黙のルール”。 このページに来るまで、「パガ大?(゚Д゚)ハァ?」「パガ超?(゚Д゚)ハァ?」って思った人は、たった今から 頭にコレをつけるのを心がけましょう(笑) これであなたもリスティアン!

世の中のピアニストが弾いているいわゆるラ・カンパネラは、この『パガ大ラ・カンパネラ』のことなんです。 みんなが「難曲だぁ」とか「綺麗だぁ」とか思ってよく耳にしているラ・カンパネラは… 実は簡単にアレンジされた方のラ・カンパネラなんです。 フランツ・リストがパガニーニの超絶技巧の世界にあこがれて作った作品をわざわざアマチュアが弾けるようなやつに作り変えてくれたわけです。パガニーニ・エチュードの改訂版をアマ専用とした場合、パガニーニ・エチュードの初版は、シャア専用というわけですな(笑)

もうすでにリストのラ・カンパネラをいくつか聴いた事のある人に聞きますが、 『パガ大ラ・カンパネラ』って“同音打鍵の音”が他のラ・カンパネラに比べて多いと思いませんでしたか? じつはこの曲は当時、最先端のピアノを駆使してやっと弾けることとなった曲なんです。 ≪パガニーニよる大練習曲集≫は確かに≪パガニーニによる超絶技巧練習曲集≫をやさしくしたものであり、まぁ…他の5曲は実際にそうなのですが、 この3番の「ラ・カンパネラ」だけは、『アマチュアのために優しくした』というよりは、『“すばやい同音打鍵を可能にしたピアノ”に合わせ、 効果的にリストがアレンジした』というのが正解なのかもしれません。 エラール社というピアノメーカーがダブルエスケープメントという機能(すばやい同音打鍵を 可能とした新機能)を開発できたからこそ、この美しい旋律のラ・カンパネラが誕生したと言えます。 それ以前のピアノではこのパガ大ラ・カンパネラは弾けなかったそうな…




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