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≪ラ・カンパネラ基礎知識≫


■フジ子・ヘミングについて


ひとむかし前にブーニン・フィーバーなるものがあったが、彼女も負けてはいない。

彼女は一言でいうなれば、日本でラカンパネラを有名にした人
ちなみに私は、彼女を知る前からすでにラカンパネラに目覚めていた…。

耳が肥えすぎていて頭でっかちのクラシックファンには、
彼女の演奏はあまり好かれてはいないようだが、

「間違ったっていいじゃない、機械じゃないんだから」

という名言は、それらを一蹴する。
そして、むしろ彼女のピアノによってクラシックに目覚る人が多いのもまた事実である。


数年前にNHKで放送されてから、たった一夜で「トキの人」となったフジ子・ヘミング。
右の耳が聴こえない、おばあちゃんになってから大成功した晩成のピアニスト。
彼女のコンサートに行った人は気付いたと思うが、彼女の側にいつも置いてあるあの腕輪。
ピアノを弾くときに必ず、横に置いてあるアレは母の手作りブレスレット。
「すばらしいピアニストになったときに腕にはめる」と約束した大切な形見なのだ。
彼女の人生はドラマ化され、日本中の人たちの間に広く知れわったている。

本名、Ingrid Fujiko V. Georgii-Hemming (イングリッド・フジ子・V・イェオルィー=ヘミング)。
ロシア人の父、日本人の母の間に生まれたハーフ。

彼女の人生は苦難に満ちている。

ベルリンで生れた彼女だったが、本来であればスウェーデン籍を持っているはずだったのに、 18歳まで一度も入国した経験がないという理由から国籍を抹消され無国籍になってしまった。 日本国籍さえ取れなかった理由は、当時の日本が父系血統だったことによる。ちなみに両親は、彼女が幼い頃に離婚している。 現在の彼女は左耳は回復したらしいが、それまでずっと、29歳の時の風邪が原因で両耳の聴力を失っていた。


さまざまな困難を乗り越え今に至る彼女の“音”は温かく、
聴いた人にやすらぎと勇気を与えやさしく包み込んでは、ときに涙を誘う。
それはきっと、彼女のつらく長い人生が染み込んでいるせいもあるだろう。


そして、私はとくに彼女の「熱烈なファン」というわけではないけれど、少なくとも
彼女の演奏を聴いて「だめだな」「くだらない」「ものたりない」「ミスがうざい」という人間は、私とは合わない。






― 彼女の音楽はまさに右脳で聴くべき音楽。
左利きだったアイシュンタインもそうであったように、「天才」というのはとにかく右脳を使う。
長い人生を左の耳だけで歩んできた 彼女は、なにをせずとも右脳が通常の人間よりすぐれている。

「イメージ」や「想像力」が豊かになるのは当然のことであり、
彼女の演奏に人の涙をさそうものがあるほど「音の表情が深い」のはそのためである。

猫とタバコを愛し、絵を描く才能さえあるフジ子・ヘミング。


― その音楽をバカにするヤツほど、バカなのだ ―

ふっ(  ̄☆ー ̄)言ってやった…(笑




▼参考サイト

フジ子・ヘミング公式Webサイト [※別窓]
フジ子・ヘミング―Wikipedia [※別窓]



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