■『うかつもの』という、いきなり演奏を止めて楽器の調律を始める曲がある。



ハイドンの交響曲第60番 ハ長調 《うかつ者》です。

ヴァイオリン奏者がみんな、本番中にうかつなことをしてしまいます(笑)
最終楽章のフィナーレあたりで自分の楽器の調律が合っていないことに気付き、
なんと、いきなり演奏をやめて調弦を始めるのです。

この間、指揮者は完全無視!
やられた指揮者は暇です。がんばれ指揮者!

…と応援したくなりますが、実はこれはこういう曲なのです(笑)
巨匠フランツ・ヨーゼフ・ハイドンが、フランス喜劇作家「ルニャール」という人のオペラ ≪うかつ者≫のために作ったBGMで、全6楽章で構成された交響曲です。

演奏の途中でヴァイオリン奏者たちがみんな"うかつにも"調弦を始めるのは、 物語の主人公「レアンダー」のうかつさを表現するためであり、 決してオーケストラがみんなで指揮者をイジめてるわけじゃないんです(笑)

よくアンコールなどで演奏されている曲だそうです。
あの小澤征治も《うかつもの》、やりました。



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