>>
HOME
>>
音楽室TOP
>>
戻る
■ショパン三世流オクターヴの脱力のコツ
それは大学時代、【通常のラ・カンパネラ】をしどろもどろと弾ける程度のレベル、
今から数年前の、ある朝のことでした…。
早朝6時になると警備員のおっさんが大学の鍵を開けるのをわたしは知っていたので、
土日のうっぷんを晴らすため、眠い目をこすりながらも人肉を求めるゾンビのごとく(笑)、
大学のピアノを求めてやってきました。
本当は練習室は8時30分にならなければ使っていけないのですが、
そんなこた知ったこっちゃなくて、そん時のわたしには通用しませんでした。
「警備員よ、我をつまみ出せるものならばやってみよ」って感じで…。
それほどピアノが弾きたかったからです。
さて、
不法侵入を犯した前科一犯の私は(笑)、颯爽と練習室に入り、
おもむろにピアノの蓋を開け、いつものように鍵盤高音部のG#に右手2の指を触れました…、、
そして最初の音、左手1と5の指で低音部G#のオクターブを叩くのです。
そう…、始まりはいつもショパンOp.66。(覚えたて
でもその日はなにか違っていました。。。
(2日弾いてないから月曜の今日は、きっとまた鍵盤重いんだろうな)と思ったのに、
なんか変なんです。とっても軽いのです。いや、鍵盤だけでなくて腕が。
そのせいか、指が動くのなんのって。いつもより3倍は速い!…シャア専用?!!(爆)
わたしは突然、幻想即興曲を止めて、最近ちょこっと暗譜したラカンパネラの
ラスト、「激しいオクターブ部分」を弾き始めました…。
うお( ̄□ ̄;)!あきらかにいつもと違う!!
速い!正確!強い!しかも自分の腕じゃないみたいに、はずむ弾む!!
もしや、これがうわさに聞く“脱力”というやつではないのか( ̄□ ̄;)!!
どんなに速く弾こうが、どんなに強く弾こうが、
いつもみたいに手首も腕も指も痛くならない(→このころはまだ未熟だった
でも同時に…「なぜだ!なぜこうなったーー?!!」って疑問が駆け巡る。
しばらくして、ある一つの考えが浮かぶ。 …ッッッ( ̄◇ ̄;)!!俺、
寝てないからーーーーーっ!!!
そうです、2日も寝ていないというすさまじい睡眠不足のせいで、
無駄な力が抜けたのです!!
この感覚を忘れまいと、必死に私は何度も何度もラカンパネラをひきました。
その時、コツをつかんだので、“脱力”の感覚が分からない人は参考にしてください。
まず基本は、クネクネです。
腕において、曲がる関節はすべてくねくねに曲げるというのをこころがけてください。
オクターブを叩くときは、手首を下方向に曲げるのを意識するのではなく、
“手首から先”を置いてくる感じで弾きます。
例えるならば、フリスビーを投げるときの感覚デスかな。
たくさん回転をかけて投げるのを想像してください。
投げる瞬間、手首を外側に突き放すだけではなくて、内側に少し引き戻しますよね?アレデス。
あ!分かりにくいですか?ではもう一つ例をば…
まず、周りに誰もいないことを確認して(笑)から、指揮者になったつもりで
4拍子の指揮を、しかも“おおげさな動作”で行ってください。
“指揮”というのは腕を振るだけで手首から先の力はほとんどいらないので、
手首は自然とくねくねするはずです。
まさに
1、2、3、4の、4のところが“脱力した腕でオクターブを叩く感覚”なのです。
腕は上げるけど、手首から先だけ“そこ”に置いてくる感じになります。
ちなみに、桜木花道のレイアップシュートの基本は、
力を入れずに“ボールを置いてくる”でしたね(笑)
実際にオクターブを叩いた後は、鍵盤の反発を利用して弾ませるような感じです。
最初はおおげさに腕を高く弾ませたほうが覚えが早いかもしれません。
このとき、大事なのは“腕”というより“手首”だとおもいました。
あと、
打鍵後は、オクターヴを押さえるためにパーに開いて緊張している手の力を抜きます。
これを瞬間的に自然にできるようになってください。これはとても重要なことです。
アルゲリッチ、キーシン、ブーニン、カツァリス…、、、プロのピアニストはみんなやっています。
オクターヴをどれだけ高速で連打しても、どこも痛くなりません。
ただしあくまで、これらは“オクターブ限定の脱力奏法”です。
トリルやアルペジオなどの脱力や正しい“重力奏法”については
私はまだ、よく分かりません(;´д`)ノ"
以上がショパン三世式究極奥義“オクターヴ脱力”の奥義伝承記録でした。。。
これを読んでもいまいち分からないような“にぶい感覚”の人は…、、、
睡眠不足になってみてください(笑)