なぜ“真夜中”なのか…。 それは、わたくしショパン三世が大学時代、真夜中に、こっそりピアノを弾きに行ってたからです。 他学科の生徒は、本来使っちゃいけない大学の練習室。 もちろん、音楽室にあるグランドピアノなんぞは触れてもいけない。 1,2畳のスペースの防音の整った部屋に、アップライトピアノが一つずつ。それが約30部屋。 たしかピアノは、ヤマハ、カワイ、ボストンの3種類があったと記憶している。 調律はきちんとされているし、暖房だってつくのだ。 なんというすばらしい環境か、と。むしろ『むぅぅ…す、住みたい!』と思ったほどである。 わたくし一人ぐらい不法侵入(笑)したって、誰も文句はいうまい!! 警備員よ…やれるもんなら、やってみよ…貴様につまみ出されるまで弾いてやる!と。 ま、そんなことはしませんでしたが…(たぶん)。 聞いたところによれば…、音楽大学は“練習室のとりあい”が日常茶飯事だとか( ̄□ ̄;)!! しかしわたくしの大学は音楽を専門とした学校ではないため、 “授業のある時間帯”を除けば、その練習室はほとんど使われていない状態。 ま、わたくしなんぞは他学科の生徒に混じって、 朝から晩まで練習室のピアノは使ってましたが( ̄▽ ̄)ゞなにか? ピアノを愛する者や、練習に励むものはごくわずかで、そんな人たちであっても20時を過ぎる頃にはみーんな帰ってしまう。 大学は22時になるとすぐに鍵がかけられるため、ピアノを使える時間は最後のチャイムが鳴る21時45分まででした。 つまり、その約2時間だけは音楽室にこっそり忍び込み、そこにあるグランドピアノを使えたわけで、わたくしにとっちゃそれは本当に至福の時間でした。 世の中には暗闇に対して恐怖を感じる人間が多いけど、 神をも恐れぬ男ショパン三世は真っ暗な学校など屁でもなく、 グランドピアノ欠乏症のため、それを求めて音楽室に歩(ほ)を進めるその足を、 もはや誰も止めることはできなかったわけである。 ―――大学時代、こっそりそのピアノで【月光】を弾いたことがある――― 何十年も弾きこまれていたためか、 そのグランドは、背筋にぞわぞわくるほど深い音で、 その音は、みごとに私の心を慰めた。 ―――そのピアノで【幻想即興曲】を弾いたことがある――― 象牙の鍵盤は古くなって黄ばんでいたが、タッチの感触も最高で、 私の手はまるでショパンかリストが乗り移ったように、鍵盤上を跳び回る。 その音は、みごとに私を奮わせた。 ―――そのピアノで【ラ・カンパネラ】を弾いたことがある。――― つむぎだされた旋律は、まさにフランツ・リストの鐘の音。 音楽室の防音ガラスが“ビリビリ”するほどの大音量。 その音は、私の情熱を爆発させた。 ―――そのピアノで【あこがれ】を弾いたことがある。――― 警備員にバレぬよう電気を消した音楽室で、 月の光のみたよりに弾いたそのグランドピアノの旋律は、 私の頬に、熱いものをつたわせた。 たくさんの生徒を世に送り出しだと思われる長い歴史を感じさせるあのピアノ。 今思い出しただけでもヨダレが出てきます(笑) たまに友達を連れ込んでは“ショパン三世リサイタル”をしたのも、なつかしきかな…( T―T) 金曜日はとくに狙い目で、この時ばかりはその音楽室は、わたくしショパン三世だけの空間! 聴く人が居ようが居まいが、自分の演奏に陶酔しナルシストに磨きがかかり、それこそまさに “真夜中の演奏会”と化するのである。でも22時は“真夜中”じゃないじゃーん( ̄ロ ̄lll)ってね。 このように、わたくしはピアノへの ショパン三世は独学でラ・カンパネラ覚えました! ピアノと楽譜と情熱があれば、弾けない曲は存在しない!! これが、わたくしショパン三世が証明し完成させたショパン三世理論でございます(^^)ノ アマチュアピアニストたちよ…
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