>>
HOME
>>
講義室TOP
>>
戻る
■指と指の間を切ったらどうなるのか
ピアノ弾けなくなります(;´д`)ノ"
―絶対にやめましょう。
よく耳にする「ピアニストの中には指と指の間を切る人もいるんだよ〜」は、
完全なるガセネタです。ドラマや漫画の世界だけの話です。
そんな人いません。
例えば8度しか届かない手の人が、12度の届く人の手を見てあこがれます。
そんな人たちの「自分も広い和音を押さえてみたいという願望」から
このようなネタが生まれたのだと推測します。
以降、
指と指の間の肉のことを水かきと呼ぶことにします。
指と指の間に“水かき”があるのは、手がアーチ状になるためにあります。
手の力を抜いたとき、“卵を握ったような手”になるのは、この水かきのおかげです。
もしもこの水かきを切ったならば、そりゃあ思った以上に指は広がるようになるでしょう。
ですがその時の手は、完全に水平(=真っ平ら)になります。
え?なにがイケナイのかって?ふふふ、愚問だよアムロ君。(⇒?
“定規(じょうぎ)”で和音が押さえられますか?
それにテコの原理により、水平になってしまった手では、
ピアノの鍵盤を押すだけでも相当な力を必要とし、
水かきを切る以前よりも、ピアノが下手になってしまうことは明白です。
また、
この“水かき”が無ければ指と指の間の結合が弱まってしまい、
握力をほとんど失ってしまいます。つまり、フォルテを出すことも出来ないし、
“和音を掴む”などという高度な動きは、一切出来なくなります。
そして常に指は疲労を感じ、まもなく腱鞘炎などになってしまうことでしょう。
水かきは他にも、それぞれの指が横に動くのを助ける働きもしています。
ジャンケンのチョキをやってみてください。例えばこの時、
人差し指と中指を開いたり閉じたりする動きがまさにソレです。
これをピアノで言うならば…
“ドミソの和音”から“ドミラの和音”に移行するとき、
“ソ”と“ラ”の鍵盤の幅分、小指を横に動かしますね?
これが出来なくなります(;´д`)ノ"
こんな単純で簡単が動きが出来なくなっちゃうんですよ( ̄□ ̄;)!!
かろうじて動かせたとしても、補助してくれるもの(=水かき)が無いので、
指を広げたり閉じたりする速度は、その時、ものすごく遅いはずです。
まあ…つまり、水かきを切ったその瞬間から、
今まで鍛え、長い時間をかけて手に入れた超絶技巧は、
とりあえず全部失います。
飛影(ひえい)は妹を探すため、邪眼(じゃがん)の手術を受けました。
それまであった妖力を全て失い、一から修行のやり直しです。(ネタが古い!
でわ、最初に言った結論に戻ります。
指と指の間を切ったらどうなるか?
…ハァ?
“広い和音の届く手”を手に入れる代わりに、たくさんのものを失うことでしょう。
その手はただ、広い和音が“届く”だけであり、“押さえる”ことは出来ません。
一滴のガソリンもこの世から消えてしまったら、自動車を買う意味がありますか?
和音を“掴め”なくなってもいいんですか?
フォルテシモを失ってもいいんですか?
握力を失ってもいいんですか?
指が速く動くのを遅くしたいんですか?
っていうかそもそも、
ピアノ弾けなくなってもいいんですか?
…っつー話!!!