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■ピアノの基本構造について
「88個の鍵盤」と「3つのペダル」、「楽譜立て」、「鍵盤の劣化を防ぐためのフタ」、「音量を調節するためのフタ」、「移動を容易にするための小さな車輪」が付いています。 外壁は黒塗りの板で覆われており、そのほとんどは取り外し可能で、最大音量はそのときに得られます。 内部には弦、ハンマー、バネ、ネジ、金属の棒、フェルト、大きな響板、重い金属フレームなどを内蔵し、 それらを88の鍵盤と連動させて組み合わせた複雑な構造をもつ「アクション」を搭載しています。
大きさと形
家庭用として普及しているアップライトピアノは、高さが約120cm前後で、重さが200kg以上あり、ほぼ立方体で箱の形をしています。 一方、グランドピアノはメーカーによって差があり、奥行きが約150cm〜290cmと幅が広く、重さは250kg〜570kgあり、鳥の翼のような形をしています。 アップライトピアノの中でも高さの低い小さなものをスピネットピアノ、逆にグランドピアノの中で最大級のものをフルコンサートグランドピアノといいます。
弦について
低音側には太い弦が1本〜2本、高音側には細い弦が3本ずつ張られ、 低い音を出すほどに弦をゆるく張り、高い音を出すほどに弦を強く張ってあります。 高音になるほど音量は小さくなるので、弦を3本にすることで音量を上げ、つじつま?を合わせているわけです。 まぁ、それでも高音部の最大音量は低音部の最大音量にはかないませんが…。 これを分かりやすく例えると…、 太さの異なる1本の弦がそれぞれ発する音量を、低音部【12】、中音部【6】、高音部【4】だとしますと、 12×1本=6×2本=4×3本となりますよね。
低音部
1本
中音部
2本
高音部
3本
そしてこれらの弦は、一本あたり約80kgの力で張られ、それが全部で230〜240本あるため、 合計すると20トンもの張力で張られていることになります。 ピアノの部品の中で最も重い「金属フレーム」は、そのとんでもない力で張られたすべての弦を支えるためには絶対に無くてはならない存在です。 通常「ピアノ線」と呼ばれるその弦は非常に切れにくく丈夫で、最も細い弦(0.775mm)でさえなんと200kgの重さにも耐えられるため、 映画の特殊撮影など、物や人を吊り下げるのに使用されたりしています。
調律について
鍵盤は左に行くほど低い音、右に行くほど高い音が出ますが、 現代におけるピアノはどれもほぼ例外なく隣り合う鍵盤の音程はすべて半音(はんおん)の関係にあり、 基音となる真中の “ラ” は440Hzで、それに合わせ12平均律(じゅうにへいきんりつ)で調律されています。
なお、腕のイイ調律師ほど調律にかける時間は短いようです。
アクションについて
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横一列に並んだ鍵盤(keyboad:キーボード)のうち、どれかひとつの鍵(key:キー)を指で弾くと、 その鍵に連動したハンマーが弦を叩いて音を出します。
弦は、他の音と自分勝手に共鳴しないよう打鍵時以外は常に、布を付けた消音装置「ダンパー」で押さえられています。 鍵盤を押したままの状態を維持すると、ダンパーは上がったままになり、音が長く響きます。 指を離した後も同じように音を響かせるには、足部にある3つのペダルのうち一番右にある「ダンパーペダル」を踏みます。
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なお、最高音部は弦の鳴り続ける時間が短いためダンパーがありません。
ピアノの音は打鍵した瞬間が最大音量となり、どんなに頑張ってもやがて減衰(げんすい)して消えます。 響板は、打弦して発生した音を増幅させる役割を持ちます。ヴァイオリンやギターの胴体などと同じです。
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