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■ピアノを発明した人って誰?
1709年にバルトロメオ・クリストフォリ(1655-1731 Bartolomeo Cristofori)
によって発明されました。本名、バルトロメオ・ディ・フランチェスコ・クリストフォリ。
イタリア人の彼は、フィレンツェのメディチ家に仕えていたチェンバロ製作者でした。
ある日、
クリストフォリは、メディチ家の王子に
「音に強弱をつけられるようなチェンバロ作れ!(゚Д゚#)ゴルァ!!」
という命令を受けました。(⇒わがまま)
当時の金持ち達にとって、お抱えの楽器製作者に自分の楽器を作らせるのは当たり前のことで、
そんな中でもメディチ家の王子は、かなり熱心な(マニアックな?)楽器愛好者だったそうです。
その頃の鍵盤楽器の主流はチェンバロ。
この楽器は、内部に張られた弦をツメで引っ掻く構造をしていたので、
強く弾いてしまうと弦がすぐブッチンブッチン切れてしまいます。
しかも強く押そうが弱く押そうが、音に強弱をつけることは出来ませんでした。
そしてもしこの王子がこんなわがままを言わなかったなら、
今頃わたくしショパン三世はしょぼい音しか出せないそのチェンバロを、
弦が切れないようビクビクしながら弾いてたかもしれません。
そして1709年、
クリストフォリは世界最初のピアノ…
グラーヴィチェンバロ・コル・ピアノ・エ・フォルテ(Gravicembalo col piano e forte)
を発明(⇒試作)しました。
これは、“小さな音(ピアノ)から大きな音(フォルテ)まで出せる大型チェンバロ”という意味で、
チェンバロの外見を持ち、内部はハンマーで弦を打つというものでした。
ツメで引っ掻くのではなくハンマーで叩くことにより大きな音量を獲得し、
指のタッチ加減だけで音の強弱を自由に操れるようになったのです。
※ちなみに「グラーヴィ(Gravi)」と「クラヴィ(Klavi)」は違う単語なので間違えないように。
そしてついに1720年に彼=クリストフォリによってピアノの『打弦機構(=アクション)』が完成しました。
この時に作られたピアノが現在、ニューーヨークのメトロポリタン博物館に保存されています。
まさにこれが現存する最古のピアノであり、なんと演奏可能らしいです!(驚愕)
でも、再生処理がほどこされて共鳴板も取り替えてしまったので、1720年当時の音は出せないみたいですが…。ちなみに54鍵盤だそうです。
クリストフォリの発明した“ピアノ”の楽器製作を世に広めた(⇒受け継いだ?)のは
ゴットフリート・ジルバーマン(1683-1753 Gottfried Silbermann)というドイツ人で、彼の門下の楽器製作者によって、
指の力加減がよりハンマーに伝わりやすいような仕組みなどが工夫されていきました。